はじめまして。ふくと申します。小さい頃から憧れだった保育士。やっと夢が叶い、希望に満ちた毎日になるはずだったのに、一年でその夢が破れた話をお話しします。単刀直入に、辞めた理由は、仕事の多さと、人間関係です。私が勤めた保育園は、定員120名のわりと大きない所で、行事に力を入れている保育園でした。子どもの保育時間も長く、担任は1日フルで保育をする状態。早めに上がって、残った時間で書類作成…なんて、一年で一度もありませんでした。当然のことながら書類作成は時間外、家に持ち帰ってやらざるを得ない状態でした。もちろん残業代は出ません。初めにそのような契約で雇用を結んでしまったからです。これは私の思慮不足もあると反省したものでした。書類の量も多く、デジタル化の進んだ現代にそぐわず、書類は手書きで作成が決まりでした。毎日の仕事に追われ、家に帰ると気づけば疲れて寝てしまっていることもしばしばでした。日々の保育準備もままならず、休日も次の週の保育のことで頭がいっぱいで休めた心地がしませんでした。特に行事前は最悪です。早番だろうが遅番だろうが、保育園を閉める時間まで残る人が多く、自分のクラス分が終わっても、他のクラスの手伝いなどで、新人は先に帰ると先輩に陰口を言われたものでした。新人だからとフォローしてくれるわけでもなく、というよりフォローできるくらい余裕のある職員がいなかったようにも感じます。気に入らない新人に対しては、いじめともとれるようなこともありました。そんな環境の中で、あれだけ夢見ていた保育士という職業に、失望していた自分。自分の頑張りが足りないのではないか、自分が悪いのではないか、と自分を責め、どんどん精神的に追い詰められていきました。そんな折、友人から転職の話を聞きました。友人も子どもに関わる仕事をしていましたが、あまりの多忙さと給料の安さに全く違う職種へ転職を考えているとのことでした。友人の話は、まさに目から鱗でした。夢にしがみついていた自分。それが上手くいかず、死まで考えるほどでしたが、その前に全く違う環境で気持ちを切り替えてみるのも悪くないのではないかという考えが私にも生まれたのです。結果的に言えば、その後の転職は私にとって正解の道だったと感じています。今でも私は子どもが好きです。でもきっと、あのまま保育士を続けていたら子どもが嫌いになっていたことでしょう。保育士の関わりは乳幼児期の子どもに大きな影響を与えます。だからこそ、保育士自身が余裕をもって、ゆとりある保育ができるよう、環境を整えていく必要があると思います。良い環境の中で働くことは、保育の質の向上にも繋がります。劣悪な環境の中ではその逆です。そしてそれが悪循環となり、結果として保育士不足が問題となるのでしょう。保育士はただ子どもと遊んでいるだけではありません。その職務の重要性を再確認し、それに見合う給料、処遇を検討していってほしいと思います。
夢だった保育士。多忙と人間関係でその夢を捨てざるを得なかった。
